経鼻内視鏡検査

胃カメラについて

胃カメラについて

原則として予約制ですが、当日受付も可能です。先ずはお電話でのご確認をお願いします。当日受付の場合、予約患者様の検査を優先に行いますので、来院後2-3時間お待ちになっていただくことがあります。あらかじめご了承ください。

経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)導入しています。従来の口からの胃カメラと違い舌根部(舌の奥)を押えることがないので、嘔吐反射(ゲーゲーすること)が ほとんどなく楽に検査がうけられます。検査中の会話も可能です。ただし、鼻腔(鼻のあな)が狭い、変形がある、鼻炎がある等の方の場合、鼻の痛みが強かっ たり、カメラが入らない場合があります。その際は御相談のうえ従来の口からの胃カメラに変更させていただいております。 また、経鼻内視鏡は従来の経口の 内視鏡に比べて細い分、若干光源が弱い、視野が狭いといった欠点があります。その欠点をカバーするためにより時間をかけ、詳細に胃粘膜全体を観察する必要 があるため、検査時間は少し長くなります。

口からの胃カメラを行う場合の多くは、嘔吐反射による苦痛を取り除くため、鎮静剤(静脈注射)を使用して行っております。 鎮静剤を使用した場合検査後 1-2時間は院内で休んでいただく必要があります。鎮静剤希望される方は運転を控えてくださいますよう、お願い申し上げます。

血液をサラサラにするお薬(ワーファリン、アスピリン、パナルジン、エパデール、プレタール等)を服用中の方は鼻出血のおそれがあるため、当院では経鼻内視鏡は行っておりません。ご了承ください。

胃カメラの流れ

胃カメラの流れ

【検査前】検査前日の午後8時頃までは普通に食事していただいて結構です。以後、固形物、半固形物は摂らないでください。当日は検査が終わるまで水以外飲まないでください。高血圧や心臓のお薬は午前7時頃までにのんでください。

★経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)の場合
両方の鼻に血管を収縮し鼻粘膜の浮腫を予防するお薬を数滴入れます。その後、スプレーで局所麻酔を行います。5分後に検査開始します。検査直前に胃の 動きを抑えるお薬を肩に筋肉注射します。通常、左の鼻から行いますが、カメラが入りにくい場合は右の鼻に変えて入れます。

★経口内視鏡(口からの胃カメラ)の場合
ゼリー状の麻酔薬を数分間喉の奥に溜めておきます。その後、スプレーの局所麻酔を追加します。検査直前に胃の動きを抑えるお薬を肩に筋肉注射し、鎮静剤を静脈注射してから検査を開始します。(鎮静剤は希望しない方には使用しません)

【検査後】鎮静剤を使用してない場合は間もなく写真画面をみながら結果の説明をします。鎮静剤を使用した場合はベッドで安静にしてもらって後、目が覚めてから説明します。生検(組織をつまみ取ること)をした場合、生検についての詳しい結果説明は一週間後に行います。

※喉の麻酔の効果が切れるまで、検査後1時間は飲食できません。飲食すると飲み込んだものが誤って気管に入ってしまい、むせ込むことがあります。1時間後、水を飲んでみてむせなければ大丈夫です。

十二指腸潰瘍出血

十二指腸潰瘍出血

80代男性。黒色便。露出血管を伴う十二指腸潰瘍があり、出血していました(写真左上)。先ずクリッピングによる止血を試みましたが、潰瘍再発を繰り返し ていたために十二指腸壁が硬くなっており、クリップがうまくかからないため、HSE(高張食塩エピネフリン液)局注を追加して止血しました(写真右)。3 日後、クリップ残存していますが、露出血管は消失していました(写真左下)。ヘリコバクター・ピロリ菌陽性のため、除菌治療行いました。以後、再発してい ません。

胃ポリープ(過形成性ポリープ)

胃ポリープ(過形成性ポリープ)

70代女性。胃腺窩上皮の過形成によるポリープです。ほとんど良性ですが、大きくなると稀に癌化することもあります。出血が疑われるものや20mm以上のものは切除の適応となります。ヘリコバクター・ピロリ菌の関与も示唆されています。

早期胃癌

早期胃癌 

70代男性。心窩部(みぞおち)不快感。胃角(胃の折れ曲がり部分)中央に3cm大の隆起性病変が見られました。病理診断の結果、高分化腺癌と診断されま した。粘膜癌の可能性が高いと考えられたため、内視鏡的粘膜剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)を高度 医療機関に依頼しました。無事、胃カメラによる治療が成功し、開腹手術することなく治療できました。入院も一週間強ですんでいます。ヘリコバクターピロリ 菌陽性のため除菌治療も行われています。

早期胃癌

早期胃癌

90代女性。貧血。高齢ですが、内視鏡治療の適応外であり、元気に日常生活をおくっておられる方のため、手術をすすめました。術後経過は非常に良く、2週間で退院しました。転移みられず、根治と考えられています。

出血性胃潰瘍

出血性胃潰瘍

50代男性。胃痛、食欲不振。初め経鼻内視鏡で検査開始しましたが、出血がみられたため、処置用の経口内視鏡に変更しました。大きな胃潰瘍があり、潰瘍内 の露出血管からの出血を認めました(写真左上)。露出血管にクリッピング行い止血しました(写真左下)。入院の上、絶食とし点滴、内服による治療を行いました。3日後に再検したところクリップ3本残存しており露出血管は消失、潰瘍も改善傾向がみられました(写真右)。食事を開始後も症状再発なく、一週間弱 で退院しました。ヘリコバクターピロリ菌陽性のため、外来で除菌治療行いました。